基礎知識!運動学習の3段階モデルとは?

温かい緑茶が身に沁み込みます。
どうも、トラディショナルジムの本杉です。
もうすぐ年末かぁ~。
筋トレに限らず当てはまる事ですが、人が何かの作業や動作を覚えてスムーズに行えるようになるには、ある程度の時間が必要です。
例えば初めてパーソナルジムに来店してスクワットを行ったとします。
1回目のセッションで100点満点のフォームで動作できる人はほぼいません。
自動車教習所でマニュアル車を初めて運転して、エンスト無しで完璧に運転できる人がいないのと同じです。(中には天才がいるかもですが)
人が何かを習得するには必ず段階があります。
最初のうちはスクワットがうまくできなくても「あぁ~、自分はこんな事もできんのかぁ~涙」と思わなくても全然大丈夫です。

運動学習の3段階モデルとは?

人が何かを学習していくには大きく3つの段階に分けられます。

運動学習の3段階モデル

参照:NESTA パーソナルフィットネストレーナー

1.認知段階

認知段階とは、中枢神経系(脳と脊髄)が働いて、1つ1つの動作を頭で考えながら行わなければならない状態です。
例えば初めてスクワットを覚えようとする時に、まずはスクワットがどういう動作をする種目なのかを視覚や言語から学びます。
上手な人のフォームを視覚から学び、言葉で教わり、実際に自分で行う際に足の位置、重心、手の位置、担ぐ位置、視線、骨盤の傾き、腹圧などを1つ1つ考えながら行います。
最初のうちは雑で協調性のない動作になるので、常に考えながら行わなければなりません。

2.連合段階

認知段階で協調性のなかった動作も繰り返していくことで、ミスが少なくなり連合段階へ移行していきます。
連合段階では動作に一貫性がでてきて、視覚や言語的な手がかりに頼ることが減ります。
これは自己受容感覚が活性化したことで起こります。
自己受容感覚とは、空間における自分の位置を認識する感覚で、俯瞰的に自分が見れているような状態です。

3.自動化段階

連合段階からさらに動作を繰り返していくことで、最終的に非の打ちどころのない動作が出来るようになります。
自動化段階はその名の通り、「自然に動ける意識しない動作」が可能な状態で、最終的な目標です。
人間はロボットではないので完全に自動的な動きが出来る訳ではないですが、スクワットで1~10の意識するポイントがあるとすると、1~7くらいまでは無意識で身体が動いてくれるような感じですかね。
野球のバッティング、ゴルフのスイング、バスケットのシュートなども、何千、何万回と動作を繰り返すことで、自然と出来るようになるのと同じです。

最初に正しく覚えて繰り返す

動作を繰り返すほど、脳と筋肉は情報交換を効率的に行えるようになり、情報伝達が強化されます。
誤った動きを覚えてそれを繰り返していても、下手な技しか身につかないのは当然です。
最初に正しいフォームを覚えて、それを繰り返すことが重要です。
適切な運動スキルをどんどん発達させて、ケガの予防やパフォーマンス向上につなげましょう。

執筆者:本杉 宏二